「最近、なんとなく心がざわつく」「物事がスムーズに進まない」 そんなとき、洗面所や玄関の鏡を眺めてみてください。そこに映る鏡自体は、曇っていませんか?
神道において、鏡は「三種の神器」の一つである八咫鏡(やたのかがみ)に象徴されるように、極めて神聖なものとされてきました。鏡は単に姿を映すガラスではなく、あなたの内側、つまり「魂の状態」をそのまま映し出す窓のような存在です。
鏡を磨くという小さな所作が、なぜか心を鎮め、運命を切り拓く力を持っています。その理由を神道の観点から紐解いていきましょう。
「かがみ」から「我」を抜くと「神」になる
古来、鏡には深い考えかたがあります。
かがみ(鏡) - 我(が) = かみ(神)
鏡を覗き込むとき、そこには「こう見られたい」「なぜ自分ばかり」という執着や不安、つまり「我(エゴ)」が映り込むことがあります。鏡を磨くという行為は、物理的な汚れを落とすと同時に、自分の中に溜まった余計な「我」を削ぎ落としていく作業でもあります。
鏡から「我」という曇りを取り去ったとき、そこに現れるのは、本来の清らかなあなたの輝き。神道で鏡が御神体として祀られるのは、澄み切った魂こそが「神性」を宿す場所だからです。
神棚の鏡と、日常の鏡
ここ最近、よくご質問をいただくのですが、多くの方が「神棚の鏡の磨き方」を気にされています。神棚にある御神鏡(ごしんきょう)は、神様が宿る依り代です。
- 神棚の鏡を扱う: 直接手で触れず、清潔な白い布や和紙を使い、感謝を込めながら静かに拭いましょう。
- 日常の鏡を扱う: 洗面台や化粧鏡も、神棚と同じ心持ちで扱ってみてください。自分自身(内なる神)を映す場所を清めることで、セルフイメージが自然と整い、不思議な安心感(納得感)が生まれます。
心を沈める鏡磨きのステップ
鏡磨きをただ「掃除」としてこなすのではなく、一つの「所作」として丁寧に行うことで、魂が磨かれます。
- 全体を見渡す: 家中の鏡(洗面所、玄関、コンパクト)をチェックします。曇りは心の迷いと繋がっています。
- 中心から円を描くように: 柔らかい布を使い、中心から外側へ、澱みを広げるのではなく「消していく」イメージで拭いましょう。
- 邪気を払うイメージ: 汚れが落ちるたびに、心の中のモヤが晴れ、本来の自分が明るく映り出すのを感じてください。
鏡がピカピカになると、そこに映る自分を見た瞬間に「ああ、大丈夫だ」という納得感が湧いてくるはずです。
魂を映す鏡を、いつも清らかに
開運とは、外側から幸運を引っ張ってくることではなく、自分という「器」を整えた結果、良い気が流れ込む状態を指します。
鏡を磨くことは、あなた自身の在り方を整えること。 明日、洗面所に立ったとき。いつもより少しだけ時間をかけて、丁寧に鏡を拭ってみてください。そのひと拭きが、あなたの暮らしに静寂をもたらし、明日を照らす光となってくれるでしょう。

