捨てる神あれば拾う神あり|デザイン業界で挫折した私を救ったご縁の話
「捨てる神あれば拾う神あり」ということわざがあります。ただの慰めのようにも感じる人もいると思います。しかし人生の中で本当に深く傷ついた経験を持つ人にとって、この言葉は希望の光になることがあります。
この記事では、10年以上デザイン業界で働いてきた私自身の経験をもとに、「人生の転機」「運の流れ」、そして神道的な視点から見た「拾う神」についてお伝えしてます。
デザイン業界での挫折と、自信を失った日々
私は正社員として働いてましたが、副業がNGの会社だっため退職しました。その後、デザイン会社のアルバイトと鑑定業を両立していた時期があります。そこで、あるデザインの職場に採用されました。
面接では私の経歴やできることをお伝えし、ポートフォリオで実績についても確認してもらいました。結果としては、その会社からは「求めている以上の経験をもっている」との評価を受けて、働かせていただくことになりました。
しかし、実際の仕事では、
- 「ダサい」
- 「古い」
- 「今どきのデザインじゃない」
- 「あなたより若い人の方が頑張ってる」
そんな否定的な言葉が、毎日のように浴びせられました。
どれだけ頑張っても認められない場所にいると、人は簡単に自信を失ってしまうものです。私自身、3ヶ月しか続けることができず、「もうデザインはやめよう」と決意しました。
拾ってくれた「見えない力」の存在
アルバイトを辞め、「鑑定業一本で生きていこう」と心に決めた矢先のこと。
新しくご縁のあった方から、こう声をかけられました。
「名刺を作ってほしい」と。
私はすぐに、「もうデザインはしていません」とお伝えしました。
それでもその方は、「あなたに作ってほしいんです」と言ってくださいました。
正直、怖かった。
もう自分には、デザインをする資格なんてないと思っていたからです。
でもその方は、こうも言ってくれました。
「あなたのデザインに、もっと自信を持っていい」と。
その言葉に背中を押され、思い切って引き受けることにしました。
…とはいえ、心の奥では、正直作りたくないという気持ちもありました。
今振り返れば、仕事を受けられるような精神状態ではなかったのです。
制作中も「これでいいのかな」と不安に押しつぶされそうでした。
その不安は、お客様に対してとても失礼だったと、今でも反省しています。
けれど、完成した名刺をお渡しした時、返ってきたのは感謝の言葉だけでした。
「あなたには、あなたの良いところがたくさんある」
そう言っていただけたことが、何よりの救いでした。
その言葉のおかげで、私は少しずつ、自分を取り戻すことができました。
「神の采配」による流れ
日本の神道には、八百万(やおよろず)の神々が存在します。それぞれが異なる性格と役割を持ち、一柱の神が去ることがあっても、別の神が寄ってくれることもあります。
例えば、あなたを試す神が離れた後に、今度はあなたの本質を見抜く神が現れることもあるのです。
人生の転機とは、神々の役割交代かもしれません。
ある神があなたを「捨てた」のではなく、「その場を去ることが、次のステージへの必要な段取り」だった。
そう考えることもできます。
運の流れは、否定ではなく「場所」が変わるだけ
「運が悪い」と感じる時期もあるでしょう。でも、運が悪いのではなく、「今いる場所が自分に合っていないだけ」という可能性も高いのです。
私がデザインを否定された場所ではなく、求められる場所に身を置いた瞬間、流れが変わったのを感じました。
流れというよりも、手応えという表現だと伝わりやすいかもしれません。
これは「運が変わった」のではなく、「流れに逆らわずに進んだ」結果なのだと、今では感じています。
魂の学び|一度捨てられても、立ち直る力はあなたの中にある
否定されると、人は「自分が悪かったんだ」と思い込んでしまいがちです。けれど、それは違います。
環境が悪かっただけかもしれないし、あなたの才能がその場にふさわしくなかっただけかもしれない。
大切なのは、「もう一度信じてくれる誰か」が現れたとき、自分を取り戻す勇気を持つこと。
私も、たった一人の言葉に救われました。
あなたにも、きっと“拾ってくれる神”は現れます。
拾われる経験が、あなたの道を照らす
- 否定的な言葉に晒された場所ではなく
- 本当にあなたを必要としている場所でこそ
- あなたは「拾われ」輝くことができる
「捨てる神あれば拾う神あり」は、単なることわざではありません。
神道的な視点から見れば、それは人生の流れであり、神々の采配でもあります。
もし、今何かで悩んでいることがあれば、自分を責めるのではなく、流れに身をゆだねてみてください。
そして、拾ってくれたそのご縁を、大切にしてください。